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![]() 若き日の亮之助 |
戦後の統制時代、正規ルートの物資の流れより、闇値で動く商売が活発で、公定価格は切符で買うものに限られていた。 そんな中、青森の畳材組合理事長の浅利さんから畳表の入手を頼まれ、前金で70万円預かった。しかし、なかなかその段取りがつかず、亮之助は状況を報告すると共に返金を申し出た。 すると「全然見込みがないなら止むを得ないが、少しでも望みあれば努力ねがいたい。それまでは銀行より確かと信じている城口さんにお預けしておく。私は少しも心配していない。」という返事がかえってきた。 その後間もなく手配がつき、品物を送ることができた。 苦労はしたが儲けの方は全く考えず、浅利氏の信頼に応え喜んで貰えればよいという気持ちでいたが、荷物の着地で違反に問われるはめになった。 浅利氏は、その筋から厳しい追及を受けたが、城口の名前は絶対に口にせず終始頑張り続けた。しかし、地元岡山の警察が調べ、遂に亮之助が送った事が判明し、署から呼び出しを受けた。 尋問され、送ったことはあっさり認めたが、どこで仕入れたかについては「非常に懇意な人で恩になっている人だから、口が裂けても言う訳にはいかない。」と頑強に抵抗した。 しかし、担当の刑事からは、「何が何でも聞かねば承知しない。」とえらい剣幕。 そこで亮之助は、「貴官が警察の立場を離れて個人の立場で聞いてくださるなら、私の知っていることを一切お話ししよう。」と申し出たら「承知した。一対一で聞こう。」という返事があり、警官と二人だけで別室に入った。 ありのまま話した亮之助に警官も感銘したのか、そのまま釈放してくれた。 |
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